
明治国際医療大学 伊藤教授コラムのご紹介 ——発酵風呂という夏支度

発酵人間では
明治国際医療大学 鍼灸学部 教授・伊藤和憲先生に
酵素風呂についてのコラムをご執筆いただいております。
伊藤教授は東洋医学の分野で長年研究・教育に携わられている先生で、
これまでも発酵人間と共に発酵浴の可能性や身体への影響について学びを深め、
研究や学会発表にもご協力いただいてきた大切なパートナーです。
第三者の専門家であり、社会的にも信頼性の高い立場の先生と共に
発酵浴について発信していくことは、
この文化の価値や可能性をより多くの方に届ける大きな力になると感じています。
今回は、東洋医学の視点から
「発酵風呂という夏支度」というテーマで、
酵素風呂がどのように心身に働きかけるのかを
とても分かりやすくまとめていただきました。
明治国際医療大学 伊藤和憲
夏を元気に過ごすためには、とにかく身体を冷やせばよいと思われがちです。
しかし東洋医学の視点から見ると、むしろ大切なのは「温めて整える」ことなのです。
梅雨明けから本格的な夏へと移るこの時期は、長雨で身体に湿気がこもり、巡りが滞りやすいと言われています。
そこへ強い日差しと冷房が加わることで、身体は知らず知らずのうちに疲れをため込み、なんとなく感じるだるさや食欲の低下といった、
ちょっとした不調——いわば「未病」の状態に傾きやすくなります。
こうした揺らぎの背景には、自律神経のはたらきが深く関わっています。
自律神経とは、活動をつかさどる交感神経(いわばアクセル)と、休息をうながす副交感神経(ブレーキ)とが、無意識のうちに身体を調整してくれるしくみのこと。
暑い屋外と冷えた室内を行き来する夏場は、このアクセルとブレーキの切り替えが忙しく、車でいえばオーバーヒート気味になりやすいのです。
だからこそ、あえて身体の深部からじんわり温め、副交感神経へと切り替える時間をつくることが、暑さに耐えられる身体づくりの土台になるとされています。
そこでおすすめしたいのが、米ぬかやおがくずの発酵熱を利用した「発酵風呂(酵素風呂)」です。
お湯とは違い、発酵によるやわらかな熱が身体の芯までゆっくり届くため、じんわりと汗をかきながら巡りを促し、代謝が高まることが期待できます。
もちろん、毎日通う必要はありません。
疲れがたまったと感じたときや、冷房で身体が冷えた週末などに、できる範囲で取り入れてみるだけで十分です。
入ったあとは白湯を一杯いただき、ゆったりと休む。
この心地よさを味わうことこそが、続けるいちばんのコツと言えるでしょう。
夏を乗り切る養生とは、何かを頑張って足し算することではなく、こもった疲れや冷えを引き算し、身体を本来の巡りへと戻していく営みです。
無理なく、自分のペースで温める習慣を重ねていくこと。
それこそが、猛暑にも揺らがない身体を育てる第一歩となります。
この夏は、発酵風呂という心地よい夏支度を、暮らしにそっと加えてみては如何でしょうか?
発酵人間はこれからも、
専門家の先生方と連携しながら、
発酵浴の魅力や可能性を、
より確かな形で社会に届けていきたいと思います。
